今回はバルコニーについて設計目線のポイントを書いていきます。
バルコニーの一般的な使い方といえば洗濯物を干す場所と考える方が多いかもしれません。
天気のよい日に外でしっかり干した洗濯物は気持ちがいいものです。
最近では洗濯乾燥機や浴室乾燥で済ませるご家庭もあるかと思いますが、屋根があるバルコニーであれば外で干していても急な雨で慌てることはありません。
単にバルコニーと言っても間取りによって変わったり、洗濯物を干す為以外にも活用の仕方がありますので解説していきます。
バルコニーとは、建物の外側に張り出したスペースのことをいいます。
特徴としては2階以上にあるもので、屋根がないことです。
周りのバルコニーをよく見てみると手すりで囲まれてるスペースになっているはずです。
これにも明確な基準が設けられていて、高さ1.1ⅿ以上の手すり壁や柵などが付いています。
ちなみにベランダは、バルコニーのように建物の外側にありますが、屋根が付いているスペースのことをいいます。バルコニーに屋根やひさしがついたものがベランダということです。
バルコニーを3種類ご紹介します。
1.ルーフバルコニー
ルーフバルコニーとは、下の階の屋根(ルーフ)部分を利用してつくられたバルコニーのことです。
屋根がなく面積が広く取れるのが特徴です。日当たりや解放感に優れているバルコニーです。
ルーフバルコニーの広さを活かして、ガーデニングやウッドデッキを敷いて楽しむこともできます。
2.インナーバルコニー
インナーバルコニーとは、建物からせり出していない屋外のスペースのことです。
上階の床や屋根がバルコニーの天井になります。
建物の中に入り込んでいるような形になっているので、外から見たときには家の一部がバルコニーになっているように見えます。
屋根があるインナーバルコニーの良さは、天候に左右されにくいので、急な雨の日のお洗濯物も濡れないので安心です。
3.スカイバルコニー
スカイバルコニーとは、屋上を利用したバルコニーのことです。
ルーフバルコニーを屋上に作った形です。
敷地面積が狭く庭を設けることができない、そんなときは屋上を庭の代わりにする使い方もあります。
限られた土地の中で上手に有効活用することが可能です。
屋上なので外からの視線を気にすることなく家庭菜園やガーデニング、BBQなどを楽しむことができます。
まずはバルコニーを設ける時に、どんなことがするのか、用途をしっかり考えて計画をしてみましょう。
例えば、洗濯ものを干すだけでなく、バルコニーで食事をしたり、家庭菜園やガーデニング、友人を呼んでBBQなど、多目的に使うこともできるスペースになります。
使う用途によって間取りや外観が変わっていきますので目的を決めていきます。
バルコニーを設ける際は、使う目的を決めてから間取りを考えると良いでしょう。
目的が決まったところで、具体的に配置する場所やどこの部屋とつなげるのかが良いのかを解説していきます。
■ランドリールームとつなぐ
バルコニーでしっかり洗濯物を干したいときにはランドリールームの横に設けると便利です。洗濯機から取り出して、階段の昇り降りをすることなく、すぐに物干しスペースへ移動できるので家事動線を短くして家事の負担を減らすアイデアです。
ファミリークローゼットを隣接しておくと、洗濯して干して収納するが一連の流れで可能になるので快適性がUPします。
■リビングとつなぐ
リビングを2階に配置して広いバルコニーとつなぐ利用方法も人気がありますね。
建物の内と外と分けて考えるのでなく「リビングとつながった空間」として活用できます。
自然と外側に目線がいくので、部屋の大きさ以上の広がりを感じることが特徴です。
開放感もあるので、長い時間リビングで気持ちよく過ごせるようになったり、カウンターキッチンなどの場合はキッチンから眺望が見えやすくなったりします。
庭代わりにもなり、暮らし方の幅がぐんと広がりますね。
ただ洗濯物を干す場合には注意が必要で、リビングから丸見えになり生活感が出てしまうので、別の場所に物干しスペースを設けるのがおススメです。
■寝室や個室とつなぐ
寝室や個室とつなげた場合には、寝る前のリラックス空間として使ったり、布団などの大きなものをすぐ干せるのは意外と便利です。
就寝前の一杯をバルコニーで、というのもいいでしょう。
家の中でも寝室や個室というのは長い時間を過ごす場所だったりするので、機能性や快適さをアップすることにも役立ちます。
他にもあらかじめ水道を設置しておくと便利です。
ルーフバルコニーやインナーバルコニーなどは外から飛んできた砂や埃が結構溜まりやすいので、水道があると掃除するのに便利です。
家庭菜園やガーデニングで水やりも出来ますし、家の中で洗いにくい靴などをバルコニーの水道を使って洗って、そのまま干すことも出来ますね。
バルコニーは洗濯を干すために必要だから間取りに入れておくことが一般的かもしれませんが、場所や広さ、他の部屋とのつながりを計画できれば、第2の庭として家族で楽しめる空間になっていきます。
こだわりの住まいを建てるなら、バルコニーを活用して最大限に楽しむアイデアを設計士の方とお話ししてみてください。
それでは、楽しい家づくりを!