今回はインナーガレージについて設計目線のポイントを書いていきます。
一般的に車庫や駐車スペースというと、建物の外に設けるケースが多いと思います。
その車庫を建物の中に組み込むことをインナーガレージといいます。
ほかにビルトインガレージとも呼ばれることもありますが、意味合いに違いはありません。
インナーガレージは愛車を風雨にさらしたくない、家から車までの移動距離を短くしたい方などに利用されています。
都市部などでは3階建ての1階部分をガレージにしている家を見かけたりしますが、こういった建物もインナーガレージの住宅です。
限られた敷地の中で、車を駐車する手段として住宅密集地ではよく採用されています。
車を停めるだけ場所ではなく、壁に囲まれたプライベートな空間として趣味や家族との時間を過ごす為のスペースとして使う方も多いですね。
こういった幅広い用途で使える所がインナーガレージの魅力のひとつです。
設計のやり方次第で、家の中からガレージを眺められるようにしたり、アウトドアを楽しめる空間にすることも可能です。
それではインナーガレージのメリットや設計のポイントをご紹介していきます。
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シャッターやドア付きの屋内に車・バイクを収納することで、車の窃盗やいたずらなどのリスクから愛車を守ることができます。
外から丸見えの駐車場に高級車などの価値の高い車を停めたことで、盗難被害に遭うニュースがたびたび報道されますが、建物内に駐車することでこういった被害から防ぎます。
雨の日に車の乗り降りをするのは皆さん嫌ですよね。
両手で荷物を抱えてたり、小さい子供がいるご家族だとさらに大変です。
インナーガレージは建物内部に組み込まれたスペースのため、雨の日でも濡れずに家まで移動できたり荷物を運ぶことができるので、例えば子どもをチャイルドシートに乗せるときも楽ちんです。
ガレージに車やバイクを停めるだけではなく、趣味や家族と遊ぶ場としても重宝します。
車やバイクが好きで眺めていたい、自分で車をいじりたい方はもちろん、DIYをする作業場やゴルフのパッティングの練習、小さなお子さんがいれば遊び場になったり、友人を集めてバーベキューをしたりと様々な用途で活用ができます。
車を駐車して終わりのガレージではなく、様々な使い方を計画する上での大切な3つのポイントをお伝えします。
今所有している車やこれから買う車の種類・台数を考えましょう。
車種によって車の大きさが変わりますし、もちろん台数によって適した広さが変わるためです。
せっかくインナーガレージをつくっても快適に使えなかったらストレスが溜まります。
車を停めるスペース以外にも荷物をもって乗り降りしたり、通行しやすい広さを確保する必要があるので、どんな生活を送りたいかイメージしつつ、車の種類や台数を考えましょう。
設計の段階で、インナーガレージに食品や趣味の道具などを置くことが決まっているのであれば、造り付けの棚や収納スペースを決めて行きましょう。
予め収納することを想定して設計しておくことで整理整頓がしやすくなります。
ガレージ内で車をいじりたい、DIYがしたいのであれば、作業台や工具、資材などの場所を考えましょう。
また、ロードバイクやスケートボード、サーフボードなど置くときは、ハンガーやスタンドなどを設置してディスプレイしておしゃれに見せることもできます。
事前に駐車以外に何をするのか決めておくと利用しやすくなります。
車を通勤などで毎日使う生活スタイルの方は特に動線を考えましょう。
ガレージからリビングなどに移動しやすくすることで、使いやすい住まいになっていきます。
例えば車で食品や日用品を買い物にいくご家庭の場合は、キッチンや食品庫などのパントリーへ直接向かえるようにすると、重たい荷物を持って移動する手間が少なくなり非常に便利です。
動線を考えるポイントは生活のスタイルに合わせて、ガレージとどの部屋につなげるのと便利になるのかをご家族と話し合ってみましょう。
インナーガレージを設けることで、生活が便利になったり多目的な活用できるようになったりと多くのメリットがあります。
ただコストが高くなるので、しっかりと目的や将来を見据えた計画が大切です。
近い将来、ガソリン車ではなく電気自動車が当たり前になる時代もそう遠くないかと思います。
そうなればガレージで電気自動車の充電するのが当たり前の家が多くなるかもしれません。
ガレージのある生活に興味がある方は、ご家族のライフスタイルを見据えたインナーガレージを考えてみましょう。
それでは。